「投資の神様」とされ、為替市場ではドル弱気派の代表格として知られてきたW.バフェット氏。同氏が率いる資産運用会社、バークシャー・ハザウェイのドル売り額は、9月末現在でわずか11億ドルにとどまったことがわかった。バフェットのドル売りは、一時は200億ドルを大きく越えた時期もあったが、2005年以降のドル高で圧縮に転じ、今年に入ってからもドル売り本格再開に動く気配はまったく見られない。 FXバークシャー・ハザウェイの7−9月期決算発表によると、同社の外貨契約額(ドル売り)は、9月末現在で11億ドルとなり、6月末(12億ドル)からほぼ横ばい、一年前(2005年9月末、165億ドル)から比べると10分の1以下に急縮小した。
同社は、「投資の神様」とされ、マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏などと並び世界有数の資産家として知られるW.バフェット氏の率いる資産運用会社。そのバフェット氏は、為替市場では一時ドル弱気派の代表格として有名だった。このため、同社のドル売りも一時は200億ドルを大きく越えた時期もあった。
しかし2005年にドル相場が急反発に転じたことから、同社もドル売り取引の圧縮に動いた。今年6月には、ピーク時の20分の1程度、10億ドル台までドル売り取引残高は縮小した。ほとんど、ドル売りポジションを整理した形となっていたわけだが、FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求それ以降もバフェット氏がドル売りを本格再開する気配がなかったことが、今回で再確認された。
バフェット氏の本格ドル売りは、2001年のブッシュ政権誕生から始まった。
「私は米国人だから、保有資産のほとんどは米ドル建て。ところが、ブッシュ政権の政策ではそのドルは下落が不可避だろう。したがって、自らの資産防衛の観点から私はドルを売る」。
そんなふうに公言して始まったバフェット氏のドル売り。実際のドル相場も、まさに2002年春に135円でピークアウトすると、その後は2005年初めにかけて100円割れ寸前まで急落した。そういった中で、バークシャー・ハザウェイのドル売りも、2004年末には215億ドルまで拡大した。
しかし、ドル相場は2005年から反転。1ドル=100円割れが回避されると、2005年末にかけて一時120円を超えてドル反発が展開した。ちなみにバフェット氏のドル売りの中心は対ユーロとの見方が強いが、そのユーロドル相場も、2005年中に一時1ユーロ=1.16ドルまでユーロ安・ドル高となった。
その中で、バークシャー・ハザウェイの為替損失も、一時は10億ドル規模に拡大したという。このため、同社も2005年7月以降、ついにドル売り取引の圧縮に動きはじめた。同社のドル売り残高は、2005年6月末の215億ドルから、同年9月末には165億ドルへ縮小。これらを含めて2005年後半の半年間でドル売り残高は約80億ドルの純減となった。
その後ドル高も一巡。2006年に入ってからは、とくに4月G7(7ヶ国財務相会議)以降、一時ドルは108円、1.3ドル近くまで急落する場面もあった。FXドル安相場再燃の様相となったわけだ。
しかしそういった局面でも、バフェット氏がドル売り再開に動くことはなかったようで、むしろバークシャー・ハザウェイのドル売り残高は、2006年1−9月でさらに約130億ドルの純減となっている。バフェット氏のような中長期投資家のドル売り控えが、ドル底堅さの一因と考えられる一方で、ドル売り本格再開はドル安相場再開の観点でも注目される。為替は引き続き、方向観の定まらない微妙な状況が続いているが、少し注目したいのはユーロドルの動きである。具体的には、ドルの対円と対ユーロでの動きが微妙に差を広げつつあるように見える。まだ微妙な段階だが、明らかに差が広がるようなら、これまでの場合ならそれはユーロドルの動きが正しいことが多い。ドル円とユーロドルのこの間のドル高値は、ともに10月13日に記録していた。ところで、先週までの対円、対ユーロでのドル下落率は、対円が2%であるのに対し、対ユーロは2.8%となり、徐々に差を広げ始めている。FX
これまでの場合、ドル円が躊躇する中で、ユーロドルが一方的に進むといった動きは、後から振り返った時に、ユーロドルが先行的だったとなることが少なくなかった。ドル円が、「円絡み」の材料で一喜一憂しているうちに、じつはドルに新たな方向性が出ているといったことがこれまではあった。
私がよく覚えているのは、2003年4−5月だ。同年3月中旬からイラク戦争が始まった。そして4月に入ると、イラク戦争は終戦の見通しとなってきたが、ここから一気にユーロ高・ドル安に向かった。
4月初めから4月末にかけて、対ユーロでドルは5%以上の下落となっていた。これに対して、対円でのドルの同期間下落率は2%弱だった。結果的にユーロに対するドル安の動きが正しく、その後対円でもドルは急落に向かった。
この2003年のケースに比べると、まだ最近はユーロドルとドル円の差はわずかだ。これが一段と広がるようなら要注意だろう。方向観の乏しいドル円に対して、クロス円ではユーロ円、ポンド円がともにユーロ、ポンドの高値更新となってきた。ユーロ円は151円台に突入、ポンド円も225円を記録するといった具合だ。ただ、このようなユーロ円、ポンド円の動きは、以下のような見方をするとかなり「高所恐怖症」を感じさせるものだ。
ユーロもポンドも、対円相場でこれまで基本的に卸売物価基準の購買力平価(PPP)を超える動きは「行き過ぎ」、オーバーシュートだった。もちろん、相場には行き過ぎが常だが、基本的に1990年以降で見ると、購買力平価をユーロ、ポンドが最大に上回ったのは、それぞれ5%程度、15%程度だった。
さて、その購買力平価、最近はユーロ円が130円程度、ポンド円が200円程度。したがって、現在は購買力平価をかなり上回ったユーロ高、ポンド高になっていることがわかるだろう。
ユーロ円が150円を大きく超えてきたことで、購買力平価からの上ブレ率はすでに15%を越えてきたといった計算になる。ポンド円の上ブレ率も12−13%程度に拡大してきた計算だ。先に見てきたことからすると、とくにユーロ円は前例のない空前のオーバーシュートになっているわけだ。 米中間選挙が終わったが、では為替はどう動くか。過去の米選挙後の為替は、1ヶ月で3−4%上昇ないし下落するというのが基本のようだ。今回に当てはめると、12月初めにかけて、ドル安なら112−113円、ドル高なら120−122円程度といった目安になる。前回の米国選挙は、2004年11月2日、ブッシュ再選が決定した大統領選挙。この時のドルは選挙前の106円から、選挙後は102円割れへ4%以上のドル下落となった。選挙前からドル安となっていたが、それがブッシュ再選でもドル反発力鈍いことを確認した上で一段安へ向かったわけだ。
その前の米国選挙は、2002年11月5日の中間選挙。共和党の両院制覇が決定したが、ドルは122円から約1ヶ月で125円超えへ上昇となった。
基本的には、選挙前のトレンドを、選挙後もしばらく続けるパターンが多い。その意味では今回の場合、選挙前がトレンドレスなだけに、読みずらいところではある。そもそも米選挙から年末にかけての2ヶ月は、普通は結構動くものだ。過去5回の選挙から年末までの2ヶ月のドル円値幅平均は8.5円で、最低でも5.4円だった。異例の小動きが続いている今年ではあるが、12月末まで5円以上の値幅になる可能性は期待したい。
過去10年間の11−12月、2ヶ月のドル円値幅平均は8.18円だった。このうち、選挙があった5年間の平均は上記の通り8.5円で、少しだが上回っていた。
選挙まで動きにくかった反動から、選挙終了後に動きに弾みがつくということはあったのではないか。
さて、今年の11−12月が5円以上の値幅になるとしたら、今のところドル安値は116円、高値は118円だから、最大でドル安なら113円、ドル高なら121円程度が目安という計算になるが、果たして? ところで、もしも動くとして、そのきっかけは何になるか。米国では選挙を前後して政策転換が起こるということがあるため、一応要注意ではある。
選挙を前後した政策転換の代表例は96年だろう。大統領選終了直後に「ミスター円」、当時の榊原大蔵省局長は、円安容認観測の否定によりドル安誘導に動いた。
また、2000年の大統領選では、直前の9月下旬に、G7協調ユーロ安阻止介入が実現した。これは選挙終了まで待てなかったということだろう。
さて、では今回はどんな政策転換があるか。一部で囁かれているのは、米株高誘導策の転換だ。選挙のための「人為的株高誘導」が、選挙終了とともにその役割を終えたら、株高基調転換に向かうとの見方は一部にある。
この間、方向観を欠いた展開、「トレンドレス相場」長期化となっている大きな原因の一つは、米景気評価の困難さだろう。米景気は減速に転じたのか、それともまだ回復が終わっていないのか。それによって早期利下げ観測、利上げ再開観測と揺れるため、ドルの方向性が定まらないということはあるだろう。
株価の動きは、そんな定まらないドルの方向性を定めるきっかけになる可能性のあるものだ。10月がドル陰線(ドル安)引けとなりドル安不可避かと思ったところ、あらためてドル先高観再浮上となってきた。まったく方向観がくるくる変わる「猫の目相場」の様相だが、それも仕方ないほど米景気の見方が二転三転している。先週末の米10月雇用統計発表をきっかけに、米再利上げ観測が再燃してきた。 一つの鍵は、一般的に雇用統計で最も関心を集める非農業雇用増加数(NFP)ではなく、失業率だったのかもしれない。失業率は前月から0.2ポイント改善、4.4%となった。これで失業率は2ヶ月連続で低下(改善)した。基本的に、米利上げ終了後、失業率が2ヶ月連続で低下したことは今回が初めてである。
雇用統計は景気遅行的な経済指標だから、利上げ終了(景気回復終了)後も雇用の改善が続くのは珍しくないが、しかしそれでも2ヶ月連続で失業率が改善となったことは基本的になかった。ということは、今回初めてそういった事態に遭遇したバーナンキFRB議長としては、自身の判断、利上げ終了が尚早だったと考え始めている可能性があるだろう。
FRBは、利上げ終了後2回のFOMCで金利を据え置いた後に利上げを再開したことはこれまで基本的になかった。その意味では今回は、6月最後の利上げから、すでに3回のFOMCで金利を据え置いているから、利上げ再開はありえないはず。FX
3回の利上げ見送り後に利上げを再開するなら、それは史上初となるが、そんな「史上初の利上げ再開ケース」が、今回の失業率をきっかけに可能性として出てきたようなのだ。このように見てくると、「猫の目相場」もしょうがないだろう。
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